仏教入門 おしえて千葉先生 対談 第1回

本願寺史研究の第一人者に聞く   仏教初心者の巻!! 真剣に求める

千葉乗隆 「イラスト提供」:竹林地 俊人さん 安芸教区機関誌「見真」2007/03号
 先生、実は僕、仏教に興味を持っている初心者なんですけど、どうしたらいいのでしょう。
 そうですね。明田君は素直ですね。(笑)

 禅宗などで用いられる仏教の入門書「十牛図(注参照)」でいうと、黒い牛(=自分の心)を探す「発心」という部分になります。それは、自分に興味を持ち、自分をもっと知りたいと思うことでもあります。この自分のことを真剣に突き詰めて考えられたお方が親鸞聖人なのです。特に生死のことを。

 私たちは、ややもすれば良いことをしようとしても、何かあったら途中で投げ出してしまいがちです。


 先生、それはダイエットとか勉強や貯金な どのことでもいえますか?
(笑)…。いい 加減に妥協するというの ではなくて、やはりとこ とん自分自身のありよう というものを追及してい かないと、いい加減な気 持ちじゃ、いい加減に 終わってしまうわけです。 ダイエットも勉強も。(笑)

 必ず死なないといけな いわけですから、真剣に 一度は自分自身のありよ うを考えてみる必要があ るのです。いい加減な気 持ちじゃこの間題は解決 しないのです。私は死ん だらどうなるか、ある いは、生きているってこ とはどういうことか、と ことん突き詰めて考えて みる必要があるのです。


真剣に生死につい て考えられたのが親鸞聖 人なのですか?
そうです。親 鸞聖人は妥協しないで、 とことん自分自身を追い 詰めて、命がけで29歳ま で修行されましたが、悟 りを開くことが出来なかっ たのです。

 その時、逃げてしまう、 妥協してしまおうとする 自分の本性のようなもの を、これをまたどうした らよいものかと真剣に悩 まれるのです。


壮絶なものなので すね。その後、親鸞聖人 は?.
法然聖人のと ころに駆け込まれます。 そして、阿弥陀さまの 「教え」を受けたのです。 「阿弥陀さまというお方 は、その救いの手から逃 げ出そうとしているもの を追いかけてきて、捕らえ て離したまわない方だと」 お聞きになったのです。

 法然聖人の話してくだ さった 「阿弥陀さまのお 救いによってお浄土参り をさせて頂く」 という言 葉にであってからは、生 涯、親鸞聖人は、ご仏前 で手を合わせる時、自分 の力によって悟りを開く ことが出来ない自分を 救ってくださる、阿弥陀 さまのご恩に感謝するお 念仏を称えていらしたの です。

 自分自身と真正面から とことん向きあった時に 出てきたのが、親鸞聖人 の報恩感謝のお念仏だっ たのです。
死ぬこと、生きる ことを真剣に考えるので すね。親鸞聖人に学びた いと思いました。ありが とうございました。


1.野生の黒い牛が牧童の調教を受ける(発心)

2.訓練を受けて次第に白くなり(修禅)

3.全身が白くなる(悟りをひらく)

4.再び日常生活に戻る(教化する)
 を10枚の絵であらわした図のこと。人生読本・修養書として用いられたもの。

  • お話し」 千葉 乗隆: 本願寺史料研究所所長 龍谷大学名誉教授

  • 聞き手」 明田 周士:安芸教区機関誌『見真』編集部